2001年8月4日
対象魚:シイラ
場所:相模湾、庄治郎丸
釣果:★☆☆☆☆
今年も遂にその日がやってきた。ドルフィンアングラーの祭典“バトルドルフィン”である。今年は連日、メーターオーバーが上がり、120オーバーも頻繁にキャッチされていた。さらに、去年はほとんど見られなかったモンスタークラスも多数目撃されている。
こんな高条件の中で行われる今年のバトルドルフィン。イヤでも期待は高まるばかりだ。みんな頭の中はモンスタードルフィンの事でいっぱい。前日、前々日とも乗合船でグッドサイズがキャッチされ、大会本番はかつてないほどハイレベルな争いになるだろうと誰もが予想していた。
大会当日、AM 5:00 からの受付開始にも関わらず、4:00 には庄治郎丸前が参加者で一杯になるほどの熱気。受付開始を今か、今かと待ちわびる参加者は、運命を握る船をどれにするかという話題で盛り上がっていた。
このバトルドルフィン、船をアングラー自身が選べるのが嬉しい。実績抜群の船を選ぶのか、相性の良い船を選ぶのか、はたまた、ギャンブルに走るのか、すでにこの時点から大会は始まっている。
AM 5:00、船とインストラクターが発表されて受付が始まった。今回の参加者は85名。今年のドルフィンキングはいったい誰になるだろう?
ここで、バトルドルフィンのルールを簡単に説明しておこう。まず、キーパーは全長70cm以上のシイラ1本。ただし、2本以上のキープは失格となる。普通なら何本か釣って、その中のビッグワンとなるのだが、そうはいかない。
キープ後は大きいのが釣れても入れ替えできない。かと言って最初の獲物をリリースしたら、そのあと何も釣れないことだってある。キープするか、しないかが運命を分けるのだ。
「バトルドルフィンで優勝するには、50%のテクニックと50%の運が必要」と言われるが、今年の大会は、まさに運が勝負を分けることになった。
AM 6:00 平塚新港から85名の精鋭を乗せた庄治郎丸4隻はモンスターを求めて相模湾へと散っていった。
庄治郎丸の中で最大の大きさを誇る5号艇は竹ノ内船長。私、西條さんがインスト。常にフルスロットルの3号艇は船木船長。インストは庄治郎のお笑い担当、ノッチと助っ人の小笠原漁師ヨコチン。シイラ乗合で御馴染みの6号は堺船長とインストの石井チャンと昌。12号は庄治郎の若手、勇次郎船長と仲田・ピンクの熱いインストコンビだ。
さあ、帰港の PM 1:00 が待ち遠しいぞ。目標はもちろんワン、ツー、スリーフィニッシュ! 5号艇は、前日、前々日とビッグワンが目撃された二ノ宮沖へ進路を向けた。途中、潮目にぶつかり流しながらチェック。先にフラツキシイラを発見。確実にメーターオーバー。場所を教えミヨシのアングラーがキャスト。もらった!
あれ? 反応が悪い。なんでだ? ベタ凪ぎ、無風。シイラには良い条件なのに。しいて言えば、潮色がチョット悪いかな? といったところだけど、あれだけ水面に出ていたら普通一発だぜ。というのに・・・次いこ、次・・・。
“海は生きている”前日の情報など全くあてにならないのは百も承知。取りあえず二ノ宮沖へ行って、状況の変化を確認してから群を探そうということだったが・・・あまりの状況激変にびっくり。
潮は前日とはうって変わって、悪臭のする赤潮になり、あれだけあった浮きゴミも見つからない。もちろん、魚の影は何処へやら。小田原方面へ走れば潮色は悪化するのみ。ン〜、マイッタ。
船長も頭を悩ましている様子。無線でも同じような答えが帰ってくるのみ。状況はどこも同じようだ。この中で昨日の群が見つかれば優勝は間違いない。この潮と沖のキレイな潮が作る潮目を探そう。真鶴を経由し初島へ向かう。すると潮色が変わって、海藻が帯になっている潮目を発見。いただきだ〜!
ティーザー用のトップウォータープラグで潮目を流しながらチェック。が、反応が無い。ど〜した〜? こんなに条件が良いのに・・・・。
延々と流していると前方で鳥が一定のエリアを旋回しているじゃーないの。ツナペンをロングキャスト。すると、やっぱりいました。ペンペンから70cmクラスがツナペンをチェイス。でもこのサイズが釣れてもな〜。
「デカイのが跳ねたぞ〜」という声とともにポイントへフルスロットルで急ぐ。目の前には浮きゴミがビッシリとあるじゃないですか。エンジンがアイドリングになるのを合図にルアーを一斉にキャスト。
ドバ〜ンという音に振り返ると、巨大な水柱とともに CGP-7020i がバットから満月になっている亀井さん。ヨッシャ、いただきだ〜! みんな、上げて、あげて〜!
20cmのマグナムペンシルを襲ったモンスターは130cmは下るまい。何時になく真剣な表情の亀井さんにみんなが注目。
が、生命感のあったロッドがフッと軽くなった。“ア〜”落胆の声が船上に響いた。残念。
それにしても、今日のシイラは活性が低すぎる。普段であればガンガンアタックしてくるはずなのにどうしてだ?
数分後、答えが解った。ベイトが小さいのである。餌はシラスか何か解らないが、2cmほどの小魚をまるで鯉がお麩を食べるようにパクパクしている。
これじゃ、ダメだ。移動。こいつらを釣るには、デカいルアーのリアクションしかないだろう。
このままノーフィッシュで終ってしまうのか? モンスター達はどこへ行ってしまったのだろう? あ〜ん。
船の進路を沖から岸へと180°ターン。下ってきた潮目を再度流しはじめると、シイラ発見。メータークラス、いや、120cmはあるだろう。その周りにひとまわりか、ふたまわり小さいシイラも付いている。
「いるぞ、いるぞ〜」の声でルアーがキャストされた。デカシイラの前にボブペンがポチャン。フッと視線が行った、と思ったらガバッ! が、フッキングが早くすっぽ抜け。“ア〜”とコシから砕け落ちる参加者。
ヒットー! の声が大ドモから聞こえた。シイラがジャンプ。80cmはあるな。遠藤君は不満顔でファイト。「もっとでっかいのがい〜よ〜」
でも、周りからの言葉でしぶしぶキープ。その後、同サイズをキャッチしてリリースした人が・・・ね、○○さん。
この後、回れど、探せどビッグワンが見当たらず帰港時間の PM 1:00 となってしまった。帰港するや、他船の表情も暗い。みんな同じ状況だったのだろう。さあ、検量は如何に・・・
庄治郎前に横たわったシイラはたったの3本。これを見て、多くのアングラーが驚嘆した。それには色々な意味があったに違いない。
メーターオーバー連日キャッチの情報に沸き、前日まで120cmクラスが目撃、キャッチされていた。今大会の優勝ラインは低くて120cm。いや130cmオーバーでなければ優勝できないだろう、とみんなが思っていたのだ。
だから、キープしていれば優勝魚! というサイズをリリースしてしまった人や、入賞魚をリリースしてしまった人が今大会は多かった。こればっかりは、検量所に持ってこないと解らない、といった面白さがバトルドルフィンにはある。この大会は運とテクニックを制した者が勝てるのだ〜。
結果は、3位 80cm, 2.7kg, 107p を獲得の遠藤大輔さん。遠藤! 感謝しろよ。お礼にルアーくれ。(ウソ。サイズは不満だろうけど、おめでとう)
2位は、80cm, 2.8kg, 108p と、3位と100g差で勝った石谷純二さん。100gでも勝ちは勝ちです。すばらしい。
そして、今年、見事ドルフィンキングに輝いたのは、102cm, 5.3kg, 155p を獲得した鈴木貴士さんです。おめでとうございます〜。ヒュ〜ヒュ〜!!
最後は恒例の「豪華賞品! もってけ! じゃんけん大会」も多いに盛り上がり、今年も怪我、事故もなく、無事に終了することができました。
最後に、今大会に多大な協賛を戴いた各メーカーさま。この場をもってお礼の言葉とさせていただきます。
そして、各船キャプテン&インストラクター、大会を手伝っていただいた皆様、本当にお疲れ&ご苦労さまでした。