RISE Fishing Report 2001

伊豆一周 デイライトエギングの旅

準備風景

ダブルヘッダー編(2)

ポイントは港の目と鼻の先、水深 20m 前後、「ハイどうぞ。」の合図で仕掛けを投入。あっちこっちでビシュビシュと空を切る音が響いているが「ヒット〜!!」の声は聞こえない・・・。

それもそのはず、なんと、20m 以上の水深にもかかわらず、ラインが真っ直ぐのまま。そう、潮が全く動いてないのだ。船長も一言。「全然ダメだな。潮が動かないよ。」だって。キャ〜!

大瀬崎の近く

ムンクの叫びのような心境。ホント、叫びたかった。だがしかし、潮が動かなくたってイカはこの下を呑気にポワンポワンと泳いでいるはずだ。デイライトエギングだって、潮回りは関係ない。「ポイントと餌木が合えばヒットするんだ。」「イカ様が気に入れば絶対ガマン出来ずに抱いてしまうはずだ。」と自分に言い聞かせる。

救いだったのは小まめな移動。景色が変われば心もリフレッシュする。オカッパリだと運転したり、歩かなきゃならないが、船アオリの場合は移動中に一杯やることさえできるのだ。天気は最高だし・・・あれれ、そう思った途端に、もう飲んでる人達がいるよ。

飲みはじめたのは Tomy さんと、お連れの Nobit さん。Tomy さんは「イカを制す者は、まずイカを食べる。」「イカを欺かんと欲すれば、まずイカを食べよ。」・・・などとかわけのわからないことを言いながらサキイカをムシャムシャ、ワンカップをグビグビやりはじめた。(実はこれが悲劇を招くのだが)

何ヶ所か回った所で、バウのほうが騒がしい。ナント、今回、初体験の Nobit さんのロッドが綺麗に曲ってる。上がってきたのはキロをちょっと欠けるサイズ。でも、初体験でこのサイズならグッドでしょ。おめでとう。

Nobit さん、950g のアオリをキャッチ。

これで、船上は俄然やる気でムンムンになったのだが、やる気と釣果は反比例。「ちょっと動こうか。」と湾内から脱出。大瀬崎を回って外側をチェック。

大瀬崎のパノラマ

※大瀬崎:松林の向こうには淡水をたたえた神池がある。(伊豆の七不思議のひとつ)

大瀬崎を回ると湾内とは別格、潮の動きもある。これはイケルかな? と思ったのも束の間、今度は潮色が・・・・赤潮なのか、なんなんのか、ダメな時はダメなのか。期待した外側にも裏切られ、再度湾内をチェック〜。アオリは何処・・・。

次なるポイントは大瀬崎を回った辺りか。 ハイどーぞ、の合図でゲームスタート。ビシッ、ビシッとシャクリをくり返していると、又もやバウで絶叫に近い悲鳴とも取れる雄叫びが・・・・。

何だ?! と声の方に目を向けると、海中を見つめる Tomy さんの姿がそこにはあった。「タックルが・タックルが〜・・・」ブクブクブク〜。

ナント、シャクッていた時に手からタックルが滑り、ダイビングしてしまったみたい。すると、水面が盛り上がり、水中から女神様が2つのタックルを持って浮かんできた。

「貴方の落としたタックルは、どちらのタックルですか?」「え〜と・・・み・ぎ。」な〜んてことは、いくら目の前に神池という池があっても神様が出て来るわけもなく。もし出てきたら「タックルはいいから、イカが何処にいるか教えてください」って聞いちゃいそうでした。恐るべし、ワンカップマジック。

無情にも時間は刻々と過ぎ、港も近くなってくる。あ〜、何処にいるのよ、アオリ様。ポイント移動も何回目だろうか、船上もすっかり意気消沈。ただ、義務のごとくロッドをシャくっていると、風に流されボトムが見えて来てしまった。

下を覗くと餌木がビシュビシュ跳ねているのが良く見える。「これで、イカが寄ってきたらサイトできるね。」と石川さんと話していると・・

「あ、来た来た、イカが来たよ。ホラ、餌木のヨコ、横。」と話してたことが現実に。石川さんがしゃくるたびにイカも興味を持って寄ってくるのだが、いまいち餌木が気に入らないのか抱きつくまでには至らない。

そのうち、イカの姿も見えなくなり、もしやと思い、オレンジの餌木をフォール。どこまでもフォール、延々フォール。すると、オレンジの餌木が視界から消えた。

ゲッ! 大事な餌木が海藻の中に入っちまった。フォールしすぎたな、と大きく煽るとがっちりとフッキング。やっちまった〜。しょうがない、とラインを切ろうとすると海藻が抵抗しはじめた。?? !! あ、イカだった!

この後が大変。周りからは「人のイカまで釣っちまった」だの「人間じゃね〜」だのと極悪非道のように言われてしまった・・ひ、酷い。

ま、いっか。おっ?! 目の前にシャローエリアが広がり、そこから一気にブレイクしているではないの。ちょっと、投げてみっか。シャローにキャストし、ブレイクまでトゥイッチ&フォール。出てきたよ、出て来たよ。待ってました、とばかりに、ブレイクの下から3杯もアオリがチェイス。

トゥイッチでイカを興奮させると、一杯が真っ黒に変色、と思った途端、ダッシュで餌木を抱いた。やったね。この後、同じ方法で2ハイゲット。

すると「ひとりだけキャスティングタックル持ってくるなんて!」と又もや非難ゴーゴー。これは違うことを試したくて持ってきたわけで、今回はたまたま・・・と言い訳をしても今更誰も信じてくれるわけもなく・・・。

結局、あっという間に時間となり帰港時間となりました。今回は船中、950g を頭に6ハイゲットという結果に。まあ、あの厳しい状況の中この釣果は健闘したと思うのですが、いかがでしょうか。

船アオリの釣果

結果は400gから950gを6杯

こんな状況で収まる連中ではなく、第2戦 午後は陸ッぱりエギングに突入。陸ッパリには魚磯丸の恵ちゃんも参加。西風が吹いてきたので、風裏となる場所を探し、大瀬崎に GO。

大瀬崎に到着、が、風は防げるのだが、堤防にはすでに数人の餌釣り師が。こりゃ、釣りにならね〜や。移動。

江梨港に到着。Tomy さん達は「ポイントが狭いから」と西浦に移動。あとで合流することになった。タックルを準備し、港を覗くと係留船のロープにボタモチサイズのアオリが数杯着いていた。コイツは戴いちゃいましょう。

恵ちゃんにあーして、こーして、と誘い方とキャスティングポイントを指示。ファーストキャスト。タターンとダートした餌木にス〜ッと寄っていったかと思うと、おもむろにガシッ! ヒット〜。

一発目からのヒットに恵ちゃんもビックリ。この後も見えイカに興奮しながらアツくなっている。でも反応が悪く移動。今度は先程、船からチェックして良さそうな場所を見つけたので、そこをチェックしようということに。

ポイントはゴロタ場。やっぱり陸から見てもイ〜感じじゃない? ブレイクの先までキャストしてシャクッているとブレイクでガツン。いきなりヒットだぜ。やっぱイ〜とこは、い〜ね。このあと連チャンでまたヒット。やば〜。ヨコでやってた安井さんにもバイトが有ったみたい・・・・。餌木はネトネトだったとか。

ここで、恵ちゃんに「どーする?」「私、へーキです。」の答えに夕方まで一緒に GO。でも船の上では「私、イカってどーも面白みが解らないんですよね〜。」って言ってたような気がするんですが、ね。

このあと西浦に移動し、Tomy さん達と合流してみたがイマイチということで、平沢堤防に移動。だが、風が強く釣りにくい。が、健闘していた石川さんがヒット〜。このコンディションの中、素晴らしい!

この日最後のポイントとなったのは、アオリイカポイントの中でも人気、実績ともに No.1 の木負堤防。夕マズメということもあり、地元の釣り人が続々とやって来る。

ここでも係留船に着いているアオリに興奮状態の恵ちゃん「なんでかな〜、どーして抱かないかな〜。」といろいろと試行錯誤していた。

が、この日はこれで終了。あ〜、やっぱだめなときはダメなのね。まだまだ諦めないよ、シーズンはこれからさ。

最後に、魚磯丸の恵ちゃんからメッセージがあります。それでは、よろしく。