ドデカパーチを目前にするが反応無しの状態でストレス満タンのまま3日目の朝を迎えた。もちろん、この日も朝食の前に陸っぱり。昨日の魚を見てしまい、興奮の二人はまだ辺りが暗いうちからヘッドライトをつけてテクテク。昨日のうちにめぼしいポイントをチェックしておいたので、各自そこへ直行。
すると、釣り始めて早々にロッドティップがひったくられた。が、フッキングミスで空振り。徳光さんに報告しようと、振り返るとロッドを満月にしてファイトしている姿がそこにあった。急いで、近付き無事ランディング。キャッチしたのは86cmのナイスサイズ。だが、アベレージが20kgというこの湖では、徳光さんも不満顔。朝食前は結局これ一本で終了。でも、これからが本番。準備運動はバッチリだ。
朝食後、向かったポイントはもちろん昨日、苦汁を飲んだあの岸壁ポイント。今日はどうだろうと覗き込むと、いましたよ。ビッグワンが今日も。朝のゴールデンタイムだし、活性が高いのを祈る。だが、結果は同じでルアーに見向きもしないどころか、驚いて逃げてしまうほど。
反応がないのを見切り、次なるポイントへ
今度は今までとはうって変わって、左右を山に囲まれた入り組んだポイント。その中でも岩盤質で巨大なエグレのある山をポイントに選んだ。先にボートを降りた徳光さんが岩の上で固まっている。足元に30kgを遥かに超えるパーチがいるというのだ。ポジションを移動してしつこくトレースするのだが、ルアーには無反応。やはり見える魚はヒットしないのだろうか。
徳光さんも興奮状態。そのうち、フラフラとディープへ姿を消していった、、、。その後、何ケ所か回ったが結果は同じ。昼食後、ドン深でエグレのきついエリアに連れて行ってくれとリクエスト。
午後は、リクエストに見合った場所をラン&ガンで打ちまくる。3箇所目に渡った場所は、見るからに居そうな雰囲気の場所。静かに水際へ近付き、ショアライン沿いにキャスト。ルアーをボトムまでカウントダウンさせ、リトリーブ開始。
ブレイクの先からうっすらとミノーが見え始めた。そのミノーが足元に来た途端、自分の立っている大岩の下から10kgクラスのナイルパーチが飛び出し、ルアーにアタック。だが、捕食行動が下手なのか、なかなかルアーを捕まえることが出来ない。
8の字、トゥイッチングなどで誘ってみるが空振りばかり。そのうち、他のパーチも刺激したのか、下から2本別のパーチも浮いてきてアタックを始めた。しかし、じれったいくらいフッキングに持ち込めない。このサイズが足元で、ルアーにアタックしているシーンはド迫力ものである。ルアーがデカいのかと思いサイズダウンさせると出てこない。また、サイズを戻すとチェイス&バイトの繰り返し。結局、活性だけは高かったがノーヒットに終わった。
太陽も傾きだし、最後のポイントというところで、徳光さんのロッドが満月に。ブレイクの先で水が盛り上がり、巨大な頭が現れヘッドシェイクが始まった。あれだけ大きくなると、ヘッドシェイクもスローモーションを見ているような感じである。
伊豆の荒磯でヒラスズキを相手にしているので、やりとりもバッチリ。あっという間に横たわったナイルパーチは14kgのグッドフィッシュ。ルビー色に輝く目も、夕まずめのオレンジ色の光に反射して、さらに美しく輝いていた。
この後、チェックするテンポをアップしてゴールデンタイムを有効に使う。
一つの岬を越えた時、足元に先程と同サイズのパーチが浮いていた。が、発見した時はすでに遅し。ゆっくりと深場へと消えていった。悪あがきとは思っても、魚が潜ったほうへとキャストを繰り返す。と、ロッドに生命感のある動きが、即フッキング。
だが、ファイトからしてもただ重いだけで、先程逃げたパーチでないことはすぐに分かる。水面からビッグミノーをくわえて上がってきた魚は何だか変。ビール瓶のような寸胴ボディー。口の周りにヒゲが生えていたので、ナマズの仲間であることはわかった。
ガイドを呼び、わけのわからん魚がヒットしたと説明すると魚を見た時「グッドフィッシュ!」を連呼。手に持って写真を撮ろうとしきりに言う。とにかく、手に持てということを強調するのである。『何かあるな』とはうすうす感じていたが、素手で触るのは恐かったので、グローブをはめ、魚を鷲掴みするとビリリッっと電気が走った。『えっ!』と思いもう一度持ち直すとやはり電気が走る。
「エレクトリック・キャ〜ットフィ〜ッシュ」とガイドは大笑い。
そう、電気ナマズだったのである。アフリカまで来るととんでもない魚が釣れるものだ。多分、最初で最後のターゲットだろうな。この日は電気ナマズを最後にゲームセット。なんか、不満が残る一日であった。