RISE Fishing Report 2000

ナイルパーチへの熱い想い

ナイルパーチ最後の楽園

4日目、今まで南下してきたのだが、今日からはアスワンへ向けて戻らなければならない。南下してきた岸とは反対側の岸を打ちながら、北上して帰っていくことになる。3日かけてきたところを2日で帰らなければならない。

必然的に移動が多くなる。そこで、トローリングをメインにして、良さそうな場所だけショアゲームをしようということになった。ショアライン沿いや水中島のあるところを流すが、反応なし。昼食前にもう一度トローリングをしてみようと岸壁沿いを流していると、風が当たる場所で水が濁っているエリアを発見。

スロースピードで流していると、思った通りティップが絞り込まれた。上がってきたのは、スーパーシャッドラップをがっちりとくわえた7kgクラス。「キープ」の一言で、今晩のメインディッシュとなった。

夕方、キャンプの途中にある、これまた絶壁のポイントに到着。漁師のはえ縄が仕掛けられている。それだけ、絶好のポイントということなのか。10分、20分キャスト&リトリーブを繰り返すが反応はゼロ。でも、ガイドはキャスト、キャストと繰り返す。

フッコクラス?

もう半分諦めかけた時、ルアーがガッチン。根掛かりかと思われたがズズズッと生命感のある動きが伝わった。その途端、体はフッキングの体制にもちこんでいた。

「でかい!」

今までのサイズとは確実にファイトが違う。スピード感こそないが、重くトルクフルなファイトを見せる。手前は大きなエグレで岩が迫り出している。ここに入られたら、100Lb リーダーでもひとたまりもないだろう。何よりも、足場は高さのある絶壁の上。必死で壁のような岸壁を降り、強引なファイトで寄せる。

足下に横たわった魚は18kg。20kgには足りないサイズだが十分である。やっと取れたという安堵感でいっぱい。この日はこれが最後の魚になってしまったが、前日の電気ナマズのツケはこれでチャラだ。

一夜明けて最終日。今日は普段より少し早いスタートゲームとなった。ガイドのうれしい配慮である。昨日取った絶壁のポイントに昇る。朝のゴールデンタイムになんとかいい釣りをさせてあげたいというガイドの思いが痛いくらい分かる。私達はそれに答える義務がある。その思いが伝わったのか、またもやヒット。だが、前日のサイズには程遠い10kgクラス。この日は、アスワンまで戻らなければならない。あまり長居はできなかった。

帰り道、もう一ケ所あるから叩くかということで、最後のチャンス。徳光さんも気合いが入る。すると「ちっちゃいのがいっぱいいるぞ。ライトゲームでやったら」とのアドバイス。

ナイルパーチが入れ食い

最後だし数釣りで楽しむかと EDGE に持ち替え岩盤回りを探ると、40〜50cmクラスが群れでチェイスしてくる。スレていないのか、フレッシュバックに入れ食いモードとなった。太陽が真上に来た時にゲームセット。楽しい時間も終了。真上にあった太陽が西に傾く頃、懐かしいアスワンハイダムが見えてきた。

ホテルに戻ると、アフリカン・アングラーズのボスであり、こんな素敵な場所をオープンにしてくれたティムさんからディナーのご招待を受けた。ナイルパーチ談義で楽しい時間はあっという間に過ぎ、最高の思い出となった。

今回のツアーでは、シーズン的に難しいと言われた。ベストシーズンは11〜1月らしい。是非次回はベストシーズンにリベンジして、アベレージサイズ20〜30kgの入れ食いとやらを満喫したい。

「アフリカ全土を回ったがこれ程確率よく、そして、大型のパーチを数多くキャッチできる湖はここしかない。地球上最後の、ナイルパーチの楽園さ」とティムは最後に教えてくれた。